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佐世保高専から始まった、5人組の挑戦。AI技術で長崎から世界を目指す、若きCOOの野望とは

株式会社LAplust(ラプラス) 取締役COO 原崎 芳加 (2期・5期 - 事業拡大支援グループ)

佐世保高専出身の同級生5人で創業したAIベンチャー、株式会社LAplust。アクセラレーションプログラムでの劇的な成長から大胆な目標まで。「とりあえずやってみる」がモットーの、長崎から世界を狙う若き経営者の、等身大の挑戦と幸福論に迫ります。

Q:まずは自己紹介をお願いします。

A:株式会社LAplust(ラプラス)の原崎です。
僕たちは、全員が佐世保高専出身の同級生5名で立ち上げた会社です。主に製造業や農業向けに、画像解析やAIのプロダクトを提供しています。
具体的には、製造業向けに不良品の鑑定から排出までを一気通貫で行うエッジコンピューターや、AIを作るためのソフトウェアの提供を行っています。また、AI開発において「アノテーション(教師データ作成)」という非常に手間のかかる作業があるのですが、この作業工数を99%削減するような技術サービス「LAplust ワンクリックアノテーション(ラプラスワンクリックアノテーション)」をクラウドで提供しています。我々のすべての取り組みは「100年先も残る技術」の実現と提供を目指し実施されています。最大の目標は、農業における施設栽培(ビニールハウス等での栽培)のうち、収穫や梱包を先端AIとロボットを用いて省力化・自動化することです。この目標のために日々技術開発と提供に取り組んでいます。

Q:全員が高専出身の同級生というのはユニークですね! 起業に至るきっかけは何だったのでしょうか?

A:高専で苦楽をともにした仲間と一緒に楽しく働ければ幸せだなと思って起業しました。
大学時代、僕はバリバリ研究したかったんですが、必要最低限のことだけやっていればOKという雰囲気もあって…。なにかできることはないかなとモヤモヤしていた時に、ある先生が「Edgeアントレプレナーシップ教育」という起業家育成プログラムを教えてくれたんです。
そこで、ビジネスには「作り手」だけでなく、「売り物・売り方・売り先」を考える人間が必要だと学びました。「それなら、僕は作るのが得意な同級生たちと一緒に、売る側の立場で事業をやれば楽しいんじゃないか?」と思ったんです。それが20歳くらいの時で、22歳の時に高専時代の友人である今の代表の田中たちと起業しました。

プロのフィードバックで「自己満足」から脱却

Q:起業されて7期目を迎え、長崎のアクセラレーションプログラム「コッコデショ!」に参加されました。参加の経緯は?

A:以前、長崎県人会のイベントで知り合った大瀬良(亮)さんに「参加しなよ」と声をかけていただいたのがきっかけです。
当時はプレゼンがあまり得意ではなかったので、プロの視点からフィードバックをもらってブラッシュアップできるなら、しかも無料で(笑)、これはラッキーだなと。

Q:実際に参加してみて、どのような変化がありましたか?

A:得られたものとしては、まず「プレゼン資料のブラッシュアップ」が効果的にできたことです。プレゼンの点数は、自己採点で10点満点中3点から6点くらいに倍増しましたね。
この素晴らしい環境の中で、当然何かしらアクションを踏むわけですが、一番大きかったのはメンターの田口弦矢さんが「僕は資料つくる時、骨組みだけ作って、デザインはプロに外注してるけどね」とおっしゃっていたことです。それを素直に実行して、10万円くらいかけてプロに依頼しました。
出来上がった資料で発表したら、周囲の反応がガラッと変わったんです。「見やすい」「インパクトがある」と。それまでは自分たちで作っていた資料がいかに「伝わらない構成」だったかを痛感しました。「デザインや構成を変えるだけで、聞く人の反応はここまで変わるんだ」と気づけたのは大きな収穫でした。
そのほかにも「とりあえずやってみる」ということを大事にしています。
朝散歩したほうがいいよとか、筋トレしたほうがいいよというようなライフスタイルについてのアドバイスも素直にやってみて、自分のパフォーマンスが高まりました!

目指すは「施設栽培における収穫・梱包の省人化と自動化」による持続可能な農業の支援

Q:今後の株式会社LAplustとしての展望・目標を教えてください。

A:我々のすべての取り組みは「100年先も残る技術」の実現と提供を目指し実施されています。最大の目標は、農業における施設栽培(ビニールハウス等での栽培)のうち、収穫や梱包を先端AIとロボットを用いて省力化・自動化することです。この目標のために日々技術開発やキャッシュフローを生むためのビジネスに取り組んでいます。これは人生を掛けて取り組むぶれないミッションでもあります。これは代表の田中が雲仙で400年以上農家を営む家系の息子として現場課題をIT,AI,ロボットで解決したいという想いがあるためです。

LAplustのすべての取り組みはこの目標につながります。
この目標を目指すうえで、様々な技術が必要ですし、お金も必要ですし、組織も必要です。
あえて具体的な数字で言うと、「LAplust ワンクリックアノテーション」の3社以上の導入決定です。そのために重要なものの1つとして「広報」があります。これを強化したいですね!

要は外から関心を持ってくれる方々の”母数”を増やしていかないといけない。これまであまりやっていなかったことなので、これをやりきりたい。
何を広報するかが重要で、まず商品をちゃんと作って、新しく開発したこの「LAplust ワンクリックアノテーション」の販売オペレーションを確立し、販売を強化していきたいと思っています。またマーケティングのチャネルを組んでいるのが今の段階です。

また、強力な技術組織として成長していくために今後は高い水準の年収で働ける会社を実現していきたいです。LAplustに集まってくれるメンバーは会社としての最大目標は一致しています。一方で、各々の人生がありプライベートでやりたいことは様々です。LAplustで心理的に安定した状態で120%の力を発揮していただくためには、やりがいや想いも重要ですし、一定の金銭的な余裕も必要だと思います。長崎で高水準で年収を稼いでいる人たちってどんな人かなと思った時に、おそらくですが多くが50歳を超えていて、リーダークラス役員クラスです。その水準に持っていきたいですね。
会社としては、社員1人あたり3,500万円の売上を安定して達成することを目指しています。

Q:現在、コッコデショ!5期の「事業拡大支援グループ」に参加されていますが、ここでどのようなものが達成できれば、参加してよかったな!成果が出せたなと思いますか?
具体的にコッコデショ!内で取り組んでいることも合わせて教えてください。

A:LAplustワンクリックアノテーションの3社以上の導入です!
そのために、お客様になりそうな企業様を紹介していただきたいという要請を出させていただいています。
加えて、「LAplust ワンクリックアノテーション」のヒアリングシートを作りました。それを用いて、実際に長崎の企業に訪問して使ってもらう約束をいただくことができたり、関連企業への紹介をお願いしたりすることができています。このように、コッコデショ!でのご縁を辿って、自分ではアクセスできない層へのアプローチのきっかけを掴むことができています。

正直に言うと、「相談したらすぐに誰かを紹介してくれる」ほどこの場所は甘くはないです(笑)。とはいえ、講義の中で「やるべきこと」を整理し、それを持ち帰ってすぐにアンケートフォームなどの形にする。
そのように、この時間の中で最大限自分が得れるものを持って帰る!という意識を持って、自ら動いてアウトプットすることで、初めてこの場所の価値を最大化できると感じています。なんでもそうですが、参加する方々が、どこまでアンテナを立てて参加するかがポイントになると感じますね。

特に「事業拡大支援グループ」については、講義形式《だけ》でなんとかなる話ではない気もしています。もっとリアルなもっと生臭い”やらなきゃいけないこと”がたくさんあって、講義にプラスして、例えば「営業資料100枚ばら撒くのに協力していただいていいでしょうか」「どなたか紹介してください!」と言ったような泥臭いアクションを、どれだけプログラム内で取れるかに収束する気もしています。
そのような、実際に現在進行形で現場で会社やってる人からの講義も、もっと受けてみたいですね。

「究極の野望」と「何もない幸せ」の実験

Q:最後に、会社と芳加さん個人それぞれの「野望」を聞かせてください。

A:繰り返しになりますが、会社の目標・野望としては「ハウス栽培の省人化/自動化による持続可能な農業の実現」です。長崎でまずはそれを証明するために水面下でコツコツと研究開発を進めていますし、ミニトマトを育てるための圃場の探索を進めています。ビニールハウスを貸していただける圃場があればぜひ教えてほしいです。
一方で個人的には「お金が一切なくてもいい世界」にも興味があります。田舎で安い家を買って、釣りをしたり畑を耕したりして暮らす。それでも十分幸せかもしれない。だから究極的には、一度今の生活を離れて1年くらいそういう生活をしてみて、「どっちが本当に幸せか」を確認してみたいですね。

Q:どちらに転んでも後悔しないようにしたいと。

A:そうです!どちらもやってみないとわからないですから。
まずは目の前の事業をしっかり伸ばして、長崎から技術力を発揮していきたいです。

ありがたいことに、画像解析やAI開発の領域では長崎で軍艦やエンジンを製作する企業様や九州全域で発電事業を展開されている企業様、そして建設業界をICTの利活用で牽引される大手建設業の企業様への技術提供や協業が進んでいます。動画像解析やAI領域では、かなり今までノウハウや情報をためておりますので、この分野で課題をお持ちの方は、ぜひ気軽にご相談ください。お待ちしております!!

株式会社LAplust 公式サイト:https://laplust.com/

インタビュアー:合同会社夢限-MUGEN 代表 林 孝行

自身もコッコデショ!に1期から参画。5期では「事業拡大支援グループ」に属し、会社の事業推進のサポートを受けている。活動歴18年のシンガーソングライターとビジネスコーチを両立する”唄うコーチ”として活動しているほか、Webメディア「ナガサキ女子」を運営。

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