株式会社Booon 代表取締役 橋爪 海氏
福岡県太宰府市出身、長崎大学経済学部卒です。
長崎大学在学中に1社目を起業し、卒業後に現在の会社を起業しています。
1社目は、地域コミュニティ、シェアハウス、インターンの企画運営事業をする会社を立ち上げ、遊戯施設の一部をお借りし運営していました。COVID-19の流行も重なり遊戯施設の一部が閉鎖されることになり、同時に創業時の事業も閉じることにしました。
その後、関西にて事業内容を変え続けていましたが、長崎をはじめとする地方は都会と比較し、手付かずの資源があり起業するには面白いのではないかと感じ、大学卒業後に2社目を立ち上げました。
実は、就職活動もしていて大手広告代理店から内定をいただいていました。大学時代の活動を通し、クリエイティブなことに興味があり広告代理店を目指しましたが、振り返ってみて大学時代の『起業している』環境の方がクリエイティブかつ、成長環境にあるのではと感じ、起業を選択しました。
出身は福岡ですが、大学生活と起業家としての生活が長崎だったため、長崎で起業しました。
起業までに経験した3つのことが、起業を選択するきっかけになっています。
まず1つ目が、大学時代のゼミ活動です。ゼミでは、企業向けにコンサルティングのようなものを行う活動を経験させてもらいました。もちろん毎月企業と会える楽しさもありましたが、サポーター側であるコンサルティングにはあまり興味を持てず、自分自身は起業家としてプレイヤーでありたいと意識するようになりました。
2つ目は、シンガポールへの留学です。上場している人材会社のシンガポール支社にてインターンをさせてもらいました。1ヶ月のインターン期間の前半は、山積みになった10年分の書類の整理でした。その整理が終わった時に初めて「残り2週間で何がしたいの」と聞いてもらい、「現地の外国人採用状況を知りたい。長崎に戻って起業したい。」と伝え、仕事場に同行させてもらうことが出来ました。自分自身の仕事ぶりを見ている人がいて、その人に後押ししてもらえるという体験から、働き方を意識したきっかけになりました。
3つ目がNPOです。大学時代に所属していたNPOで、地域の企業から出資を募り学生が調査や検証を行い、軒先ベンチャーを創出することを目的に活動していました。地域の先輩経営者の方々に、ひとりの経営者候補として対等に向き合って頂いたことで、社長の視座、社会人との関わり方を学びました。
この3つの経験から、プレイヤーでありたい、プレイヤーの中でも事業を作る方が好き、先人を切って動くことで周りの人に応援してもらえる、という経験を通して起業家になりました。
他の地域と比較し長崎には起業を志す方がまだ少ないと感じる一方、自治体、十八親和銀行などのバックアップ体制が充実しており、とても恵まれているなと感じています。
私自身、長崎市のスタートアップ支援事業『コッコデショ』に参加させていただくなど、あらゆる方面で支援を受けています。支援者の方々にサポートいただき、アイディア段階でも企業と繋いでもらえるのも、長崎ならではだと思います。
地方だから、環境・資金がないから、という理由で諦めてしまうことが日常化してしまっている人がいるとしたら、自分の環境に限界を作らず、考えている時間がもったいないので、行動してほしいと思います!
うまくパートナーを見つけつつ、しっかり世界・東京の同年代の学生がどんなことをしているのか見ておくことは大事だと思います。東京と九州だけでも時差があり、海外であればもっと時差があります。それを自覚できるか、学生としての視座から突き抜ける経験をしてほしいです。メタ的に自分のあり方を見つめ直してほしい。
私は、長崎は恵まれていると感じますが、地域間比較しないと恵まれていることに気付きません。憧れのまま都会に行く人が多いですが、私は都会で事業をしてみて、長崎のありがたみに気付きました。学生のみなさんには、自分の選択肢が本当に腑に落ちているのかを見てほしいと思います。
最後に、長崎大学内にある長崎大学FFGアントレプレナーシップセンター(通称:NFEC)にお越しいただければほぼ毎日居ますので、ぜひ起業に興味のある学生さんはお越しください。