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長崎とスタートアップな人 Vol.5
九州のスタートアップを支えるベンチャーキャピタリスト

GxPartners LLP マネージングパートナー&COO 中原 健氏

略歴
1980年生まれ。長崎県諫早市出身。九州大学法学部卒。
2003年国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)入社。融資等の支店勤務を経て、2013年福岡創業支援センター着任。2014年より福岡を拠点とするアクセラレーター、StartupGoGoの立ち上げから参画。公庫退社後、2019年にシード・アーリーをターゲットとしたベンチャーキャピタル、GxPartners LLPを設立。投資先へのハンズオンに特に注力し、リスクマネーの供給だけでなく販路開拓や次回ファイナンスのサポートを通じ、スタートアップの成長をサポート。
また、公庫勤務時に培ったデットファイナンスの経験を生かし、デット調達のサポートも行っている。

GxPartners LLP マネージングパートナー&COO 中原 健氏

1.自己紹介をお願いします。

長崎県諫早市出身、高校は長崎日大です。
実家も諫早にあり中学・高校の友人も諫早に数人いるので、コロナ前までは2ヶ月に1回くらいのペースで帰っていました。今はzoomを使ったオンライン帰省がメインですね。

福岡を拠点とするGxPartnersというベンチャーキャピタルを運営しています。ベンチャーキャピタルとはスタートアップに投資と育成を行うビジネスです。

2.なぜ、スタートアップに関わるベンチャーキャピタルという仕事を始めたのですか?

7〜8年前、日本政策金融公庫の福岡創業支援センターに着任しスタートアップに関わるようになったのがきっかけです。スタートアップとの関わりの中で、大企業や行政にはできないようなスピード感で世の中の課題を解決するというスタートアップの存在意義の大きさに気づきました。
自らスタートアップを設立することも考えましたが、今までのキャリアを生かしてスタートアップをサポートする立場であるベンチャーキャピタルを志し、実際にご縁にめぐまれて2019年にGxPartnersを設立するに至りました。

運営しているGxPartnersというベンチャーキャピタルは福岡を拠点としています。これは東京に一極集中するリスクマネー(融資ではなく出資)の供給の問題から、「リスクマネーがないから地方ではチャレンジできない」という環境を変えたいという思いがあったからです。
コロナ禍において色々な方面で「地方」が注目されていますが、スタートアップに関しても同じことが言えると思います。
どこにいてもスタートアップがチャレンジできる環境を整え、スタートアップと共に成長していければと思っています。

GxPartners LLP マネージングパートナー&COO 中原 健氏

3.長崎に感じるポテンシャルはありますか?

日本全体として少子高齢化が進んでいますが、中でも地方における人口流出は大きな課題であると思います。
長崎市も人口減が著しい地域の1つです。これは地域の「課題」ですが、視点を変えるといち早く地域課題が顕在化した地域であるとも言えます。

チャンスが生まれる前提には課題が存在するものです。
ですので、課題解決のチャレンジに素早く取り組むことができるという面ではいい環境であると言えるのではないかと思います。

        
         

4.VCからみた長崎市の魅力、そして期待することはありますか?

長崎大学の存在が大きいと感じます。スタートアップの武器となる技術が生まれるからです。全国的に見ても研究レベルの高いと言われる医学部からスピンアウトするかたちでベンチャーが出てくることへの期待もありますし、水産学部と豊富な長崎の海洋資源を掛けあわせることによるシナジー効果も今後注目したいと思っています。

コロナの影響で傾いた観光業界がいつ立ち直るか不透明ですが、状況が落ち着き次第立ち上がりが早いのは国内旅行です。
長崎市は従来より国内の旅行者が多いため、国内向け観光サービスにおける新しいビジネスの立ち上がりも楽しみですね。

5.最後に今後の取り組みについて教えてください。

長崎で立ち上がるスタートアップをこれから増やしていくために、まずは長崎市で挑戦できる土壌を作りたいと考えています。
FFGが行なっている長崎の大学生向けビジネスプランコンテストの開催や長崎市の主催するスタートアップセミナーなど、これまでの取り組みはますます進化していくでしょう。さらにStaruup Compass Nagasakiのサイトでも、まだまだ注目される機会が少ない地方スタートアップにスポットライトを当てていきます。
長崎の方々にもっとスタートアップのチャレンジを知っていただき、応援・挑戦するきっかけになればいいなと思っています。